


しずく(GCOM-W)の高分解能版海面水温プロダクト
2018年6月20日掲載



GPortalで提供するGCOM-W/AMSR2バージョン2以降の海面水温(SST)プロダクトには2種類のSSTデータが格納されています。この2種類とは、6GHz帯と10GHz帯の観測データそれぞれから算出されたSSTです。
この2種類のSSTの主な違いは「空間分解能」です。6GHzのSSTの空間分解能が約50kmであるのに対し、10GHzのSSTでは約30kmに向上しています。ただし、10GHzのSSTは、6GHzのSSTに比べ算出精度が若干劣り、また低温域での計測範囲が狭くなっています(表1参照)。
マイクロ波放射計によるSSTの観測は、SSTに感度の高い低周波帯の放射輝度から算出されますが、陸地からの放射の影響を大きく受けるため、陸地に近い沿岸海域では、有効なデータを得ることができません。10GHz帯は6GHz帯よりも高い空間分解能で地表を観測するため、陸地の影響を受ける範囲が狭まり、より陸地に近い海域までデータを得ることが可能です(図1参照)。この結果、10GHzのSSTは、より沿岸域に近いSSTの分布や微細構造の把握が可能となり、漁場把握などに役立つ情報が得られます。
表1に示した各SSTの特徴を考慮し、2種類のSSTデータを使い分けて、ご利用ください。
図1 10GHzと6GHzの放射輝度から算出した海面水温(2014/7/16観測)
表1 海面水温プロダクトの空間分解能・精度・計測範囲